どんな準備が必要? 台風による停電対策

台風が来るという予報がでると、どうしても雨や風への備えに重点が置かれがちです。それも大切ですが、台風は停電を引き起こすことがあります。実は、台風により停電した場合、一時的な停電とは異なり長期化する恐れがあるだけでなく、広範囲に及ぶ大規模停電となる可能性があるのです。台風が接近してきたら、雨風対策と同時に、停電対策についても考えておくと安心です。この記事で解説します。

  1. 台風による大規模停電の発生
  2. 台風による停電は長期化する可能性も
  3. 台風による停電の対策
  4. 最大の停電対策は「家庭用蓄電池」

台風による大規模停電の発生

台風の到来により、過去にどのような大規模停電が発生したか、事例を挙げてご紹介します。

記憶に新しいのが、2019年9月、千葉県の房総半島を中心に大規模な停電を引き起こした台風15号です。強風による飛来物によって配電設備が損壊したほか、電柱の倒壊などの被害も相次ぎ、隣接する都県も含め、最大時で90万戸以上が停電するという事態となりました。
もっとも被害の大きかったのが千葉県です。地域によっては、数万戸という規模で1週間以上も停電した状態が続きました。完全復旧するまでには2週間以上かかったという、非常に規模の大きい停電でした。

その前年、2018年の9月には、台風21号と24号という2つの大型台風が関西と九州に被害をもたらしています。
21号は、関西地方を中心に広範囲に停電をもたらし、総数としては250万戸近くの電気供給がストップしました。西の経済の中心地である大阪でも、約100万戸が停電するという事態に陥っており、その停電戸数の多さが、被害地域の範囲の広さを物語っているといえます。
24号が停電の被害をもたらしたのは、九州・沖縄の一部と、中部地方の一部です。1週間に渡り、最大で180万戸ほどの家が停電する事態となりました。

地球温暖化による海水温の上昇で、近年の台風は大型化する傾向にあります。数時間で復旧する停電と異なり、大型台風による停電は広範囲、長期間に渡る恐れのあることが、事例からも読み取れるのではないでしょうか。

台風による停電は長期化する可能性も

何かの事情で停電が起こることは日常でも経験がありますが、さほど時間もかからず復旧するケースがほとんどです。長くても数時間ほどすれば、復旧します。しかし、台風による停電の場合、先ほどの事例でもわかるように、数日、あるいは1~2週間に渡ることも珍しくありません。

なぜかというと、強風で電柱が倒壊したり、樹木や建物が倒壊して電線が切れたりということが複数の箇所で起きてしまうからです。扱うのが「電気」ということもあり、電柱を元通りに設置し、切れた線をつなぐ作業には安全性への考慮が欠かせません。それだけ時間がかかるということです。被害が広範囲に及んでいればいるほど作業も複雑になり、時間が必要となります。

台風による停電の対策

過去の事例からも、台風などの災害による停電対策で大切なことは、長期間に渡る可能性も視野に入れて対策をすることといえます。

まずは夜間に備えて、ローソクや懐中電灯を用意しておきましょう。長期保管していた場合、問題なく使用できるかどうかも確認します。そうでないと、真っ暗闇の中で過ごさなければならなくなります。乾電池を使う懐中電灯の場合は、予備の電池も忘れずに用意してください。充電式のランタンを備えておくと便利です。
情報収集に使用できるスマートフォンやタブレット、ノートパソコンなどは、停電すると充電ができません。あらかじめ充電をすませ、使用も最低限におさえるようにします。いざというときのために、モバイルバッテリーも用意しておくと安心です。

さらに気をつけたいのが、冷蔵庫です。停電したときでも、開閉する回数を減らせば2時間程度は冷気が保たれるといわれていますが、食品の安全に配慮するにこしたことはありません。冷蔵庫や冷凍庫に肉や魚など生ものが入っている場合は、早めに消費してしまいましょう。

冷凍庫には、保冷剤や水の入ったペットボトルを入れておけば、停電した後で何かを冷やしたいときに、氷代わりとして役立ちます。
なお、冷蔵庫は容量の半分程度、冷凍庫は100%の容量で食品などを入れておくのが、低温状態を保つには最適だといわれています。冷凍庫は保冷剤や冷凍できるドリンクなど、万が一溶けても支障のないものを詰めておくとよいのではないでしょうか。

最大の停電対策は「家庭用蓄電池」

停電対策として最大の効果を発揮するのが「家庭用蓄電池」です。中でもスマートスターLは200Vの出力も可能で、停電時にエアコンを使うこともできます。

台風がいちばん多く発生するのは夏の終わりごろから秋口にかけて、まだまだ半袖でちょうどよい日も多い時期です。しかも台風が過ぎ去った後はフェーン現象(山を越えて吹く湿った空気を含む風が、吹き降りる際に高温の乾いた風になる現象)が起きやすく、気温も上昇しがち。さらに台風が運んできた湿気にも悩まされます。そんなときでも、家庭用蓄電池でエアコンが使えれば安心です。特に高齢者の方や、幼いお子さんがいるご家庭にとっては心強い味方になるのではないでしょうか。

天気予報で台風への注意が呼びかけられることが増えています。雨風への対策ももちろんしなければなりませんが、この機会に、停電対策についてもあらためて考えてみませんか。電気のない生活、それが数日から数週間に渡る可能性を想像すると――日常的な対策にプラスして、家庭用蓄電池の設置なども検討してみるとよいでしょう。

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