停電はなぜ起きる? 原因と復旧の仕組み

今年9月に千葉県を中心に発生した大規模停電。大型台風が直撃したことが原因でしたが、場所によっては停電期間が2週間を超えたところもあり、電気の大切さを改めて考え直すきっかけとなる出来事となりました。日本の電力供給システムは世界的に見てもレベルが高いといわれていますが、それでも毎年日本のいたるところで停電は発生しています。では、なぜ停電が起こるのでしょうか。
今回は、私たちの生活に欠かすことのできない電気について、送電の仕組みや停電の原因、停電復旧の仕組みについて詳しく解説していきます。

  1. 停電の定義
  2. 停電の原因
  3. 送電と停電からの復旧の仕組み

停電の定義

停電というのは発電所からの送電が一時的に止まり、その結果電気が使えなくなることを意味していますが、停電にも種類があります。必ずしも落雷や台風などのアクシデントが原因で起こるというわけではありません。停電の中には、電力会社が意図的に行なっているものもあるのです。主な停電の種類を詳しく見ていきましょう。

①瞬低

瞬低というのは「瞬時電圧低下」の略で、その名のとおり瞬間的に電圧が低下することによって送電が止まることです。ここでの「瞬間的」とはおよそ0.07〜2秒程度のことで、落雷や雪害などの自然現象がその主な原因となっています。

②瞬停

瞬停というのは「瞬時停電」の略で、電力会社が意図的に発生させている停電のことです。例えば、雷が送電線に落ちて瞬低(瞬時電圧低下)が発生した場合、電力会社は電気を正常に送るために落雷した送電線を一旦切り離し、約1分後に再度送電を行います。送電が途絶えている時間は1分程度ですが、電力会社が意図的に行っている状態のため、電力会社ではこれを「停電」としては扱っていません。

③停電

落雷や雪害などによって送電線に何らかのトラブルが生じた場合、電力会社はその送電線を切り離し約1分後に自動再送電を行います。通常はこれにより電気は正常に送られるようになるのですが、再送電を行っても電圧が回復しないこともあります。その場合には、再度送電を止めて電圧異常の原因を探すため、原因が解決するまではその送電線から電力を受け取っている地域では電気が使えなくなってしまうのです。このように、1分間以上続く長い電力の停止状態を、「停電」と呼びます。

停電の原因

停電は電力会社が計画的に行うものもあれば、さまざまな要因によって意図せず起こることもあります。では、具体的にどのようなことが停電の原因となるのか、停電を引き起こしやすい主な原因について詳しく見ていきましょう。

①台風、暴風雨

台風や暴風雨などの際に停電が起こることがありますが、これは強風で飛ばされたトタンや看板などの飛来物によって電線が切れたり、大雨が続くことで起こる土砂崩れなどによって電柱が倒れたりして電線が切れてしまうことが原因となっています。

②地震

地震の揺れや、地震による土砂崩れなどで電柱が倒れてしまい、電線が切れてしまうと停電が起こります。

③大雪

大雪が続き電線の上に雪が積もると、その重みで電線が切れて停電が発生することがあります。特に日本列島では水分を多く含んだ重たい雪が降る傾向があり、さらに大陸から日本列島に向かって強い風が吹き込みやすい気圧配置であるため、規模を問わず毎年冬には各地で雪による停電が発生しています。

④落雷

雷が電柱などに落ちると、非常に大きな電気エネルギーが設備に流れ、電柱の上にある変圧器を守るヒューズが切れてしまったり、故障してしまったりして停電してしまうことがあります。

⑤鳥の営巣

鳥が繁殖期を迎える春から夏にかけての時期は、カラスなどがハンガーなどの針金や木の枝などを使って電柱の上に巣作りをしてしまうことがあります。その際に巣を作るために運んだ針金などが電線に接触して停電が起こることも。

⑥車両衝突などによる電柱の損傷

交通事故などで車両が電柱にぶつかってしまって電柱が折れたり、倒れたりすることで電線が切れて停電になってしまう場合があります。また、過去には高さのあるバケット車やクレーン車などが誤って電線に接触して切断してしまい停電を引き起こしたケースも。

⑦近隣での火災の発生

電柱付近で火災が発生し、電線などをはじめとする電気を送るための設備が損傷した場合、停電が発生します。また、停電が起こっていなかった場合でもあっても、また消防士が消火活動を安全に行うために、電力会社に依頼をして意図的に停電をする場合もあるようです。

送電と停電からの復旧の仕組み

私たちの生活に欠かすことのできない電気。電力会社の発電所で作られた電気は、どのようにして私たちの元に届いているのか、その送電の仕組みと、停電復旧の仕組みについてそれぞれ詳しく見ていきましょう。

送電の仕組み

電力会社の発電所で作られた電気は、鉄塔に張られた左右各3本、計6本の送電線を通って、途中の変電所で電圧を変えながら家庭などで使う電気として供給されます。日本ではこの「2回線直列配列送電線」が主流で、鉄塔の右側と左側で対称となるように電力を送っています。このように同じ電気をあえて2回線で送ることによって、左右のどちらかの回線に自然災害などで送電トラブルが起きた場合も、残されたもう片方の回線で電気を送り続けることができるのです。

また、併せて系統安定化システムを導入することで、万が一2回線ともにダメージを受けてしまった場合でも、停電を一部に抑えて大規模停電を防ぐような仕組みが設けられています。

停電から復旧の仕組み

停電が発生した場合、まずは変電所に近い地域から順番に電気を流していき、どこで問題が発生しているのかを突き止めていきます。故障の原因が取り除かれるまでは原因エリアは停電中となりますが、それ以外のエリアは電気が供給されます。故障箇所については、電力会社の社員が直接現地に出向き、一本一本電柱を確認しながら復旧作業を行なっていきます。

停電はさまざまな原因によって起こります。復旧までに時間がかかるケースもあるため、日頃から停電時の対処について考えておくことが大切でしょう。

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