FIT制度終了後の買取価格はどうなる?

2019年11月から順次、FIT制度(固定価格買取制度)の固定価格による電力の買取期間が満了する家庭が出てきます。FIT制度による電力の買取期間が満了し終了すると、その後、引き続き電力を売ることができるのか否か、売電できたとしてその場合の買取価格はどうなるのかなど、FIT制度終了に関連した疑問は尽きません。FIT制度の満了が来る前に考えなければならないこと、そして売電とは異なる有益な選択肢があることについても解説していきます。

  1. FIT制度による買取期間の終了
  2. FIT制度終了後に何もせずに放置するとどうなる?
  3. どのくらい変わる? FIT終了後の買取価格
  4. 将来的に売電単価がさらに下落する可能性も

FIT制度による買取期間の終了

FIT制度による太陽光発電の固定価格での買取期間は、2019年11月以降、順次終了していきます。

FIT制度とは「固定価格買取制度」のことです。この制度では太陽光や風力、地熱などの自然の力、再生可能エネルギー(再エネ)で発電した電気を、国が定めた価格で買い取ることが電力会社に義務付けられています。

このFIT制度を利用して太陽光発電で発電した電力を固定価格で売ることのできる期間(保証期間)は、10kW未満が10年間、10kW以上が20年間と定められています。現在のFIT制度の前身となる売電制度「余剰電力買取制度」がスタートしたのは2009年11月1日のことです。つまり、制度が始まってから10年経った2019年10月に、買取期間の満了を迎える最初の設置者が出てくるわけです。

2019年11月から買取期間が終了する一般家庭が現れ、その後、電力を売る際には買取価格が大幅に下がると予測されることなどを踏まえて、これらを「2019年問題」と呼ぶ場合があります。また、買取期間が終了することは「卒FIT」とも呼ばれています。

ただ、2019年問題も卒FITも、FIT制度自体が2019年に終了するという意味の言葉ではないので注意しておきましょう。

FIT制度終了後に何もせずに放置するとどうなる?

FIT制度による買取期間が満了となった場合、その後も売電を続けるという自動継続の契約が結ばれていれば、FIT制度終了後も新しい単価で買取が行われることになります。

しかし、自動継続契約が結ばれていない場合は買取をする相手が不在の状態のまま、余剰電力が東京電力パワーグリッドなどの一般送配電事業者に送られます。その場合は売電したことにはならず、無償で送電し続ける形になってしまいます。

そのため売電を続けることを希望する場合は現在の事業者に継続の契約を結ぶか、いずれかの小売電気事業者の買取プランを比較検討して申し込む必要があります。

いずれにしろ、買取期間満了の3~6カ月前には、現在買取りを行っている事業者から買取期間満了の日時や必要な手続きを記載した通知が届くことになっています。

どのくらい変わる? FIT終了後の買取価格

FIT終了後の買取価格はどのくらいになるのかを見てみましょう。現在、資源エネルギー庁のサイトで売電できる事業者を確認することができます。

基本的に買取価格はFIT買取価格より安くなります。これまで48円/kWhという高い金額で売電できていたのは、FIT制度によって国民が電気料金を支払う際、「再生可能エネルギー促進賦課金」という形で買取価格の一部を負担していたからです。

それに比べれば大幅に価格が下落し、FIT終了後の買取価格の目安は6円から10円程度になるでしょう。ただし、中には対象商品の使用などの条件を付けることで11~15円程度の買取価格を設定している業者も存在します。

申し込みはほとんどの場合、サイトの専用フォームから行うことができます。その後は書類が郵送されてきて、必要書類をそろえて送付する形が一般的です。

将来的に売電単価がさらに下落する可能性も

2019年を過ぎ、さらに数年が経つうちには、売電単価がさらに下落する可能性があります。2020年にはFIT法のさらなる改正が行われるともいわれています。経済産業省はFITの抜本的な見直しに向けて議論を本格化させており、事実上、FIT制度自体が終了となることも想定しておくべきでしょう。

そこで現在は、安い価格でも売電を続けるという選択肢以外に、蓄電池を導入して自家消費を進めていくという方法が注目されています。日中は太陽光によって電気を得て、夜間は蓄電池に充電した余剰電力を使うようにすれば、電力会社から購入する電気の量を極力減らすことができます。また、蓄電池は災害時などの非常用電源としても活用することができます。

東日本大震災以降、電気料金は上昇し続けています。再エネ賦課金の負担も2012年度の0.22円/kWhから2018年度の2.9円/kWhへと、13倍以上に増大しています。今後も年を追うごとに電気代は上がっていくと考えるのが妥当です。そうなれば、太陽光発電と蓄電池を活用して自家発電・自家消費を行って購入電気量を減らすのが、相対的に最も理想的なライフスタイルとなるかもしれません。

現在、太陽光発電を導入して売電を行っている家庭は、やがて買取期間の満了を迎えることになります。契約内容を事前に確認し、余裕をもってFIT期間終了後の方針について検討を進めておきましょう。

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