どのくらいの収入になる? 太陽光発電の売電の仕組み

二酸化炭素などの温室効果ガスを排出しない自然にやさしいクリーンエネルギーとして注目されている「太陽光発電」。発電した電力は家庭で消費することができますが、発電量が消費量を上回った場合には、余った電力を電力会社に「売電」することも可能です。太陽光発電の導入を検討されている方の中には、この売電によってどのくらいの収入が得られるのか気になる方も多いでしょう。
今回は、太陽光発電の売電の仕組みと売電にかかわる大切な制度について詳しく解説していきます。

  1. 売電の基本
  2. 太陽光の売電の仕組み
  3. 太陽光発電の買取制度と買取価格
  4. 売電はどのくらいの収入になる?

売電の基本

資源が枯渇せずに繰り返し使うことができ、地球温暖化の一因となる二酸化炭素を発電時にほとんど排出しないクリーンなエネルギーとして注目されている「再生可能エネルギー」。高所から流れ落ちる水の力で発電をする「水力発電」や、風の力によって発電をする「風力発電」などさまざまな種類がありますが、その中でも住宅の太陽の光エネルギーから発電する「太陽光発電」は、近年一般家庭での導入が進んでいる再生可能エネルギーの一つです。

太陽光発電は屋根やカーポートなどに設置したソーラーパネルに太陽の光を吸収することで発電する仕組みで、発電した電力はそのまま家庭で使用することができます。太陽光発電は家庭用蓄電池と併用することによって、発電した電力を貯めておくことができますが、蓄電池がない場合は昼間に発電した電力を貯めておいて夜に使うということができないため、夜は太陽光発電を搭載していない住宅と同じように電力会社から電力を買って電気を使用します。

一方、共働き家庭などのように昼間留守にしていて電気を使わない場合には、発電量が消費量を上回ってしまうケースも少なくありません。家庭で消費することができずに余ってしまった電力は「余剰電力(よじょうでんりょく)」と呼ばれていて、電力会社に買い取ってもらうことで収入を得ることができます。これが「売電(ばいでん)」です。

太陽光の売電の仕組み

太陽光発電システムで発電した電力はパワーコンディショナーから分電盤に接続され、家庭内の電力として使えるようになります。この分電盤は、電力会社の配電線にもつながっているため、発電量が少ない雨の日や太陽光が稼働しない夜間などは、電力会社から電力を買って家庭内の電気に使用します。

反対に太陽光発電からの発電量が家庭内で使い切る量を上回った場合には、余剰電力が分電盤で分けられ電力会社側に電気が逆流する「逆潮流」と呼ばれる現象を起こします。この電力を売電メータで計測して買い取ってもらうのが「売電」の基本的な仕組みです。

太陽光発電の買取制度と買取価格

太陽光発電で得た電力を電力会社に売って収入をもらう「売電」は、太陽光発電を設置するメリットの一つですが、これから設置を検討している方はその制度をきちんと理解しておくことも大切です。

買取制度について

売電は買取のタイプによって「余剰電力買取」と「全量買取」の2種類に分けられます。家庭内で消して余った電力を買い取ってもらう「余剰電力買取」は搭載している太陽光パネルの総出力が10kW未満の一般的な個人住宅が対象で、10年間固定された買取価格が保証されているのが特徴です。

一方、発電した電力の全てを売電することができる「全量買取」は、太陽光パネルの総出力が10kW以上の大規模な太陽光発電設備が対象で、工場や学校、メガーソーラーなどがこれに該当します。全量買取では20年間買取価格が固定されているのが特徴です。

固定価格買取制度

固定価格買取制度(FIT)というのは、売電の際の買取価格が一定期間保証される制度のことです。一般家庭が対象の余剰電力買取では10年間がその保証期間ですが、この制度が始まったのが2009年のため、2019年11月ごろから徐々にこの制度の終了を迎える家庭が出てきます。

固定期間が終了するとこれまでよりも買取価格が少なくなったり、電力を買い取ってもらえなかったりするケースが出てくることから、対象家庭はそれぞれに電力の使い道について検討し対応する必要が出てくるわけです。この問題を「2019年問題」と呼んでいます。

売電はどのくらいの収入になる?

太陽光発電で発電した電力を売電する場合、月々の売電収入は「発電単価×発電量(kWh)」によって算出することが可能です。固定買取制度では、10年で太陽光発電の設置にかかった費用を回収できる金額が目安になっているため、設置費用を超えた収入が得られるのは10年後以降になります。

ただし、設置から10年が経過するとこれまで保証されてきた固定価格買取制度が終了を迎え、買取価格が大幅に現象してしまうため、売電のメリットが少なくなってしまうケースも。

その一方で電気代は年々上昇傾向にあり、将来的には蓄電池を導入するなどして発電した電力を家庭内で全て使いきる「自家消費」を検討した方がメリットが大きくなる可能性もあります。

2019年11月以降、固定価格買取制度(FIT)切れが順次発生します。売電単価も年々下がってきていますので、上記の内容を参考にして自家消費を検討に入れておくとよいでしょう。

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