2020-10-27

地震の震度とマグニチュードの違いや関係性について解説

# 災害対策

地震が発生すると、その規模や被害状況を知らせるために「震度」「マグニチュード」という用語が使われます。どちらも「震度1」「マグニチュード7」のように数字で示され、数字が大きくなればなるほど大規模ということなのですが、では、震度とマグニチュードの違いは何なのか、どのような関係性があるのか解説していきます。この機会に正しい知識をもっておきましょう。

震度とは

震度は、計測震度計により観測された揺れの大きさを示す数値のことで、気象庁が定めたものです。
計測震度計は全国各地に設置され、地震が発生すると、その情報を集約して「震度5:A市、B市 震度4:C市」というような速報が出されます。
実は1996年4月までは、体感や周囲の状況で震度を推定していました。しかし現在では震度計を設置し、人の感覚に頼らずに計測できるようになっています。
ちなみに震度は、次のように10の階級に分かれています。

マグニチュードとは

マグニチュードとは、発生した地震そのものの大きさを数値で表したものです。つまり、マグニチュードは、ひとつの地震にひとつしか存在しません。たまに、後から訂正されることはあるのですが、それはあくまでも訂正です。ひとつの地震に複数のマグニチュードが存在することはないのです。
なお、マグニチュードを「M」という記号で表すこともあり、「M5」などと表記されます。

参考までに、マグニチュードの数字には、1大きくなるとエネルギーは約32倍、2大きくなると約1000倍になるという決まりごとがあります。つまり大地震レベルに相当するマグニチュード7の地震は、マグニチュード6の32個分、マグニチュード5の1000個分ものエネルギーを持っているということです。数字は「1」しか違わないのですが、エネルギーレベルでは、とても大きな差があるということになります。

震度とマグニチュードの違い

ここまでの説明で震度とマグニチュードの違いをまとめると、次のようにいうことができます。

ある地震が起きたとき、地震そのものの大きさを表すのがマグニチュードで、その地震の揺れが各地に伝わったときの揺れの大きさを表すものが震度です。マグニチュードはひとつしかありませんが、震度は地域ごとに変わります。また、地震が発生した際の震度は、震源地からの距離などで変わってくるため場所に異なりますが、マグニチュードは地震そのものの大きさであるため変わりません。

震度とマグニチュードの関係性

最後に、震度とマグニチュードの関係性について押さえておきましょう。実はマグニチュードの大きさと震度は、関係があるようで関係ないともいえます。

どういうことかというと、例えば、巨大地震レベルといわれるマグニチュード8の地震が起こった場合で考えてみましょう。震源地に近い地域は激しく揺れますが、震源地から離れれば離れるほど揺れを感じることは少なくなります。日本で遠く離れた海外で大きな地震が起きたとき、被害の状況をテレビで目の当たりにすることがあります。しかし、どれほど大きな地震であっても、揺れが届かない日本で被害が出ることはありません。

一方で、マグニチュード5という規模としては中地震相当の地震であっても、直下型地震のように自分たちがいるすぐ下で発生すれば、激しい揺れをもたらす場合があります。激しく揺れれば、被害も甚大なものになるでしょう。

地震そのものの大きさはマグニチュードで知ることができますが、その地震による地域での揺れの大きさ、想定される被害などは、震度をもとにしないとわからないということです。

なお、マグニチュードは、ざっくりいうと世界共通の数値となっています。ただ、国によって使用する計算式などに違いがあるため、同じ地震でも若干の数値に差がでることはあります。
震度は、地盤、建物の造りや強度が国によって異なることもあり、国によって基準が異なります。先ほど説明したように、日本では震度計を使い10階級で表しますが、外国ではMM震度階という12階級で表すことが多いようです。

世界の中でも地震の発生件数が多い日本は、地震大国ともいわれています。いつ、大きな地震に見舞われるかわかりません。地震が発生すると、「震度」「マグニチュード」という両方の数値が報道されますが、正しい知識を身につけて情報を受け取り、対処できるように備えておきましょう。