2019-10-11

エアコンは使える?蓄電池で停電時にできること

# 災害対策

災害などで長時間の停電になったとき、家庭用蓄電池と太陽光発電システムを導入していれば、停電中でも家庭内の電気製品を使うことができます。実はどんな蓄電池でもOKというわけではなく、例えば多くの蓄電池では200V仕様のエアコンを動かすことができません。停電時でも普段と同じようにエアコン使うにはどうすればいいのか、蓄電池の選び方のポイントをご紹介します。

停電時に家庭で困ること

停電で使えなくなって困ることは何でしょうか?「携帯電話の充電ができない、テレビを見ることができない」「照明器具が使えず、夜に真っ暗になってしまう」「冷蔵庫が使えずに食料品が傷んでしまう」等のことがあげられますが、夏や冬にはエアコンが使えないことも大きな問題となります。
停電が長引くと夏は熱中症、冬は地方によっては凍死のリスクと、健康被害が懸念されるでしょう。車中泊で過ごすのも限界があり、エコノミー症候群などが生じかねないことも心配です。

エアコンは使えない!?蓄電池で停電時にできること

そのような停電時に備えて、家庭用蓄電池を導入する家庭が増えています。

しかしながら、市販されている蓄電池の多くは、実は使用できる電気製品が限られているのです。冷蔵庫、照明、テレビ、スマートフォンの充電程度には使用できても、エアコン、電子レンジ、電気ケトル、IHクッキングヒーター、洗濯乾燥機、電気式床暖房などには蓄電池が使えない可能性があります。

使えない電気製品の共通点は、「電圧が200V仕様にハイパワー化されていること」です。エアコンの場合は14畳以上向けなど大きなサイズのものが200V仕様となっています(コンセントの形状も変わります)。上記した電気製品以外では、エコキュートや電気温水器も200Vです。それ以外の通常の電気製品・家電機器は100Vです。

家庭用蓄電池は100Vのみ対応している製品が多いため、停電時に大きなエアコンなどを使いたければ100V/200Vの両方に対応した蓄電池を導入する必要があります。

蓄電池の自立出力と家電の消費電力

次に、停電時にどれくらいの電気が使えるのかもポイントとなります。

停電時にどれだけ出力が得られるかは、家庭用蓄電池のスペックとパワーコンディショナーなどの機器との組み合わせによって決まります。停電時の出力は自立出力(自立運転出力)と呼ばれ、その最大出力はカタログを見れば記載してあります。

仮に最大出力が2.0KW(2000W)だとすると、合計消費電力がその範囲内となる電気製品を複数使用できます。下はあくまでも目安ですが、各種電気製品を使用する際に必要な電力です。

停電時にこれらの電気製品を使うときは、蓄電池の最大出力を超えない範囲内で同時使用することになります。例えばIH調理器や電子レンジは消費電力が大きいので、これらを使うときは他の電気製品を使わないようにするなどの工夫が必要です。

エアコンが使える蓄電池を選ぶときは注意!

ここまで見てきたように、停電時に家庭用蓄電池を利用してエアコンを使いたい場合は、まず家庭内で使用しているエアコンが100V仕様か200V仕様なのかを確認しておかなければなりません。そして200Vのエアコンを使用している場合は、蓄電池も200V対応の製品を選んでください。

また、エアコンだけではなく他の電気製品も同時使用できるよう、停電時に使用したい電気製品の種類をリストアップし、その合計消費電力に見合う自立出力が得られる蓄電池を選ぶことも重要です。

さらにもう一つ、家庭用蓄電池には蓄電容量(kWh)があります。この容量は最大出力とは別で、蓄電池にどれだけの電気を貯められるかを表すものです。

蓄電容量が少ないと、同時に複数の電気製品を使用できたとしても、短い時間ですぐに電気を使い切ってしまうことになります。たとえ太陽光発電と連動していたとしても、早々に限界となるでしょう。

逆に蓄電容量が多ければその分、長時間運転が可能になります。基本的に容量が大きいと製品価格は高くなりますが、容量が少ない場合はそれだけ充電と放電を繰り返す回数も増えるので、蓄電池が劣化するスピードも速くなるという側面があります。

災害などで停電したときにエアコンを利用したいのなら、まず使用しているエアコンの電圧に対応していること、そして自立出力が使用する電気製品の消費電力に見合うものであり、なおかつ蓄電容量が十分であることに注目して蓄電池を選びましょう。

200V対応で高出力な家庭用蓄電池をお探しなら、「Smart Star L(スマートスターエル)」をおすすめします。定格容量9.8kWh、出力は通常時10kVA、非常時(停電)は最大9kVAで、100Vおよび200Vの出力が可能です。停電時でも通常時と同様に太陽光発電を稼働させ、普段と同じようにエアコンなどの電気製品を利用できます。